デリバリーヘルスの男性社員と女性たちのマイノリティな性癖を主題にした物語。
主人公の男性はデリバリーヘルスの社員。デリバリーヘルスとは、車で待機、携帯へ連絡があれば希望の女性を希望する場所に派遣するという業務形態。実質の待機場所である車には運転手兼連絡業務の主人公とヘルス嬢数名が同乗している。
主人公は高校時代、泣きぼくろを持つクラスメイトの女子との出来事から性的に特殊な癖というか呪縛みたいなものを抱えており、泣きぼくろの女性を町中で見つけてはその女性がフェラが好きなのだと言い放つということを繰り返している。同乗のヘルス嬢たちはみな主人公の行動から主人公と働くようになっているという設定。主人公とのファーストコンタクトの反応は様々だけど。
主人公の、性癖と平行して嬢たち各々に焦点をあてたエピソードの連作みたいな構成になっている。ジャンル的には青年向け劇画系エロものなのだろうが、行為そのものが目的で繋がって終わりという話でないところに読み応えがあった。
エロものの場合、(ごはんのお供に使わないのなら)共感するしないに関わらず心理面の描写のウエイトを高く描く話のほうが面白く感じる。マイノリティな性癖が主題でシリアス寄りだが心理描写がくどくなく淡々としたノリが良いと思う。
イワシタシゲユキ
ニチブンコミックス1巻 / 日本文芸社
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★☆☆