酒のほそ道の主人公の彼女の女性ひとり酒にまつわる様々な出来事や出会いを描いたスピンオフシリーズ。
酒のほそ道はちらっとしか見たことがないので本編では主人公の女性がどのようなキャラなのかわからないまま読了。
年頃の成年女性のひとり酒を描いたグルメもの、でいいのかな。女性ひとり呑みの話は興味をそそったのだが、著者が男性だからなのか、正味リアルな女性のお酒事情なのか、ヒロインがたいへんにめんどくさいキャラとして描かれているように感じた。
グルメものといってもうまい酒と肴を出す店に出会って舌鼓、というシンプルな内容ではない。ヒロインはお酒自体を愛するのではなくお酒を通しての他者とのコミュニケーションも重要視するタイプっぽい。
自分に合いそうな店選びにおいての条件の多さ、客や店主など呑み屋で出会う男性の感想・・と酒と肴以外の呑むときの環境の注文が多すぎる。いや実際の所、確かに女性一人呑みならではの注意すべき点ではあるのだ、あるのだが・・どうにももやもやしてしまう。
店主はいけすかないが料理が良くて評価が上がる、飲んべえ扱いにされたくはないが持ち上げられるのもいや、といった幅の狭い微妙なマイルールというか好みのライン。特定の女性が言いそうな、面倒くさい部分を如実に出しているところがひっかかる。
まあ読者層を慮ればこっちのほうがウケるのかな。
ラズウェル細木
ニチブンコミックス 全2巻/ 日本文芸社
ジャンル:青年・グルメ / 好み度:★★★☆☆