吸血鬼一族は魔族の中では最弱、血を吸えば力は強いが血がなければ弱小の種族。そんな吸血鬼一族の5人組は、所属する魔族学園で留年の危機に。それを回避するため異世界の征服という課題をこなしていた彼らは現代社会の日本にやってくる。しかしナンパで血を得ようとしてもままならず死体から血をとろうにも気安く転がっていないしで詰んだ5人は、リーダーの父親が世界征服の一環で経営する芸能事務所に所属しアイドル活動から目標を達成しようとする、というはじまり。
若者をはじめとした多くの人間を魅了するアイドルになれば世界征服が可能、という図式でアイドルになることを決める展開。きっかけとなった人気トップのグループが実は・・・という設定とか彼らのアイドルになった目的がまあ主人公たちと似た感じだけど別のベクトルのえげつなさ全開とか、お約束の5人の結束とか悲哀とかも盛り込みつつ、エピソードや人間模様の積み重ねが多くて読み応えがある内容だった。終始お祭り騒ぎというかなんというか。眼帯リーダーの吸血鬼が、冷静沈着に見せてかなりお茶目というかドジっ子属性なところがツボなのかもしれない。
寺井赤音
あすかコミックスDX全1巻 / 角川書店
ジャンル:少女・ファンタジー / 好み度:★★☆☆☆