機械仕掛けのメルディーナ 宮ちひろ

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人間を嫌い機械にしか心を開かない少女・メルディーナは、廃棄場で巨大な機械と出会う。人間と機械が織りなすロシアン・スチームパンク。
ロシアを模した架空の世界観だが政治体制は旧ソ連に近いかんじ。主人公は人間嫌いで機械にしか心を開かない少女。彼女が機械の廃棄場で出会ったのは巨大な蟹のようなロボット。主人公は、すでに他界した親ゆずりの機械技術を持ち機械修理などで生計を立てており、件のロボットを連れて町に出た際、暴走機関車と出くわす、というはじまり。人懐っこいがうさんくさく画策を行っているような軍人の女性、なじみの父親と幼い娘、両親の死の経緯と主人公の記憶、主人公自身の謎などを絡めて話は進んでいく。
物語における登場人物の立ち位置とか印象が目まぐるしくかわるのでちょっと戸惑うが、じっくり読めばそれなりに楽しめる。しかし用意した設定の数を活かしきれないほどに展開が早かったのは否めない。話を追うだけでいっぱいいっぱいで登場人物たちに感情移入しきれなかったために、心を揺さぶられるはずの見せ場の効力がいまひとつとなっているような気がする。個人的には言語は持たないが意志疎通ができ人懐こい大きなロボットと主人公のやりとりが、もうちょい尺があったらなあと思った。
絵は若干の癖はあるがきれいだと思う。アクション描写も悪くない。鼻水たらすヒロインってのがある種特徴的だったかもしれない。まあ気候を鑑みてなのかもしれないが。

宮ちひろ
アクションコミックス全2巻 / 双葉社
ジャンル:青年・ファンタジーアクション / 好み度:★★★☆☆