ティーンズカンパニー 他少女漫画5件 

ティーンズカンパニー (マーガレットコミックス)
<吉井マリ
お金持ちになりたいと望む女子が出会ったのはやくざの息子と噂されていたが実は高校生で社長をしている男子だった。恋愛要素もあるが、尊敬する親に対する思いを絡めての思春期の男子女子の将来の方向を互いに模索する青春ものといったところか。大仰過ぎずすとんと心に入る作風が良い。巻末あとがきを見るに並々ならぬ職人で社長の父親のリスペクトからできた作品らしい。同時収録はREMEMBER4SIDE・あとのまつり。REMEMBER4SIDEは中々に読み応えのある恋愛展開だった。過去の友人の処遇?がちょい哀しかったけど。デフォルメした絵柄がものっそい好み。★★★★☆

こんな初恋 (マーガレットコミックス)
<岩ちか
表題作他キライ歌・君だるま。:あのお方の端緒・君を守る花・おみくじのうそつき収録。表題作は、恋愛は雲の上の出来事と認識している生徒会役員の女子。告白現場や恋愛・異性の話になると有名人を見たときの一般人のようなテンションになるかんじかな。そんなヒロインが告白現場を見たことのあるイケメン男子と知り合い告白され、という話。とにかく可愛くてほっこりする話だった。なんのかんのと好みの作風です。ヒロインが素でほわわんとしてわりと恋に疎いタイプのヒロインがほとんどかな。★★★☆☆

KISS (マーガレットコミックス)
<小森みっこ
君としたいこと・LOVEnHATE・桃色秘事・ひみつのすき・王子様になるまでまって収録。著者の初単行本らしい。1作目は、好きすぎて過干渉になっていた女子が相手に勘弁してと言われ大人の落ち着いた女子になると決意するが、という話。感情の起伏が大きいギャル系の主人公が多いが、一途で一生懸命で好ましいキャラばかりで楽しく読めた。設定に頼り切らず丁寧なキャラ作りで物語を運ばせている。しっかりした秀逸と感じる絵柄。効果は他に比べ盛りが多いがいい意味で画面を引き立たせている気がする。この著者の作風は好きだなあ。★★★☆☆

月の沈むまで (あすかコミックスDX)
宮城とおこ
文化レベルは現代、社会システムは明治~大正に近い世界観。有明けの別れという古典作品を下敷きにした内容。爵位持ちだったが理不尽に失墜させられた亡父のための復讐に動く主人公の話。当人の復讐というより父の代行という意味合いが強いのがミソか。少女漫画の王道を押さえつつの端麗なサスペンス。本格的とまではいかないけどサスペンスとしては存外よくできているなと感じた。現代とレトロを折り合わせた世界観は好み。主人公の秘密は原典の題名でネタバレだけどそれ以前でもなんとなくわかるよね。★★★☆☆

ウルフル・ムーン (花とゆめCOMICS)
<友藤結
人に見えないものが見える少女は、蜘蛛の化物に襲われた際目つきの悪い小さな狼と遭遇する。狼の首に巻きつけられた呪符を解くと少年の姿に変わり蜘蛛を撃退する。魔族の狼は主人公が戒めを解ける人間であり解くまでは他の魔物から主人公を護るというが。二人を襲う魔物たちと二人の交流という二軸で展開、ファンタジーものとしては定番な構成。絵は綺麗だし表現の幅が大きいので読ませる作品ではあるが印象に残る特徴は少ない。現状維持で話が終わってるけど続きがあるんだろうか。同時収録も狼ものだが別作品のよう。★★★☆☆