ましまろ文學ガール 天乃タカ

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少女は、女人禁制の「自由に文学を愛する」をモットーとする文學倶楽部に男装し性別を偽って入部する。
文明開化の風潮・女子は袴をはいて女学校に通うようになるがまだまだ女性の自由は少ない時代。明治後半か大正時代あたりかな。女学生の主人公は文学に傾倒し懇意にしている印刷所で本を読み自らも文を書くほどに情熱を傾けている。しかし時代もあって学校では変人扱いで、家でも同居する兄変わりの青年には文学を止められている状態。
そんな中、自由に文学を愛する文学倶楽部を組織する青年と出会ったことから、主人公は件の部に男装し性別を偽り倶楽部に入ることを決める。
当初牧歌的な絵柄なのでのほほんとした可愛らしい話かと思いきや、現実味のあるシビアな展開でした。NHKの連ドラみたいなノリも感じたり。
時代的に女子が文学に関わるという平坦ではない道を若さゆえの情熱みたいなもので邁進する主人公、文学に傾倒する主人公に対する奇異の目、正論かどうかは別として一般社会の目という状況を踏まえての親身な忠告をする者、主人公の行動を助ける者たちとのやりとり。とにかく人物描写が綿密でドラマ好きな人にはかなり読みごたえがある話だなあと感じました。

天乃タカ
ビームコミックス全2巻 / エンターブレイン
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★☆☆