同名ライトノベルのコミックス化作品。
財力ルックスすべてのものを持つ財閥の御曹司である高校教師愚龍と、清貧を絵に描いたようにつつましく生きる女子高生鈴音は恋人同士。
愚龍は占い師に鈴音の危機を告げられ、鈴音のもとに走るが、鈴音はグリコという謎の少女に眼球をえぐられていた。しかし死亡した、と思った彼女は何事もなかったように愚龍に話かけてきた。
困惑する愚龍に、謎の少女は鈴音の魂に「林檎」が根を張ってしまったため普通の人間として生きていけないと告げる。そしてグリコは鈴音たちの学校に転入し、鈴音を蟲から守るという。
グリコと鈴音と愚龍たちの関係の描写、彼らの敵との対峙が主な内容。
人間関係を含めた奇抜な設定と唐突過ぎる展開に正直、面を食らうことこの上ないのですが読むのをやめられない吸引力がある不思議なタイトル。
林檎の設定や主人公たちの敵・味方そのたもろもろ、読者が状況をとらえにくいダークファンタジーなトンデモ展開の中にもうまく日常生活の描写を組み込んでいる構成がいいのかな。
何者かわからない存在のグリコにも親密な無垢な性格の鈴音、それをやきもきして見る愚龍、林檎をとりこんだ鈴音のみならず愚龍も敵に狙われる・・といった展開。3人の過去やなれそめといったものも最初にぽんと描写されているのでキャラ設定はつかみやすいですね。
絵柄も可愛いし読ませる構成の秀作ファンタジーといったところか。
原作:日日日 / 漫画:浅見百合子 / キャラクター原案:三月まうす
MFコミックス アライブシリーズ全6巻 /メディアファクトリー
ジャンル:少年・ダークファンタジー / 好み度:★★★☆☆