龍鳳 河惣益巳


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20世紀初頭の上海租界。女性は男性の持ち物であり人権はほぼ蔑ろにされていた時代。
主人公の少女は貧しい家から妓楼に人買いに連れてこられたが幼いということで門前払いされたところに一番の売れっ子の女性に小間使いとして拾われる。
主人公の生き様を描きながら男尊女卑をなくすためにはどうすべきかというテーマが綴られているのかな。幾多の難関を越え活動していく主人公の生涯が描かれています。蔑ろにされた対象を保護しただけでは何も解決はしない、女性の地位をあげるには自らを養える手段と男性側の意識の改革を促すというところが印象深かったです。
これに出てくる昔ながらの考えを持つ男性が幼稚な子供にしか見れないよ(笑)主人公を理不尽な事から救ったはいいけど自立心がなくおぼっちゃんで自滅していった男性はちょっとかわいそうだったかも。
足が極端に小さいことが女の美徳とされる民族の話は子どものころ某情報番組から知っていましたがその理由はこの漫画で知りました(あとそれによる弊害も)。
中国に限らず女性を縛り付ける風習のあるところはけっこうありますよね。先進国が意識改革を促しているようですがどうなんだろうなあ・・。このテの話は書き出すと長文になってしまうのでまた別の機会に。

河惣益巳
花とゆめコミックス全4巻 / 白泉社文庫全2巻 / 白泉社
ジャンル:少女・ドラマ / 好み度:★★★★☆