母子家庭で育つ優しく思いやりのある少女すみれの日常。
主人公は母子家庭の小学4年生の少女。両親は離婚しており、父に会うために一人で新幹線に乗り広島へ向かっている。久々に父に会う機会があるも、父が仕事で抜けられず、父の再婚相手の女性が迎えにくる・・というはじまり。
ドラマというより、主人公の家庭環境の紹介を兼ねたエピソードから主人公の気質・周囲の状況を描きつつ、主人公の日常を描く構成のよう。
主人公はいわゆるよく出来た娘で、家計を支える母や友人、父や父の再婚相手に至るまで、相手にとってよりよい方へ行くよう努めるタイプ。作風というか話の雰囲気は、ほっこりとゆるやか、健気に頑張る主人公に温かな気持ちがわき上がる。
日常の描写や人物の配置など、設定やちょっとした所作などの作り込みが秀逸で、描く内容というか主題がシンプルなだけに映えている印象。設定の割に主人公の視点が広く、読み応えもあるように思う。絵柄もシンプルで牧歌的な雰囲気なのも良い。
松島直子
イッキコミックス全6巻 / 小学館
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★☆☆
主人公の気の使いようは好きな相手に対する好意の結果であると同時に、無意識に自身の居場所の確保のためかもと思うとけっこう切ない。むろん悲しいときは耐えずに悲しいと表現するし、うれしいときは屈託ないから杞憂なのだろうが。的外れだろうし著者の意図とはずれきってると思うんだけどちょっとだけ頭をよぎったのでメモっとく。