けずり武士 湯浅ヒトシ 


けずり武士 (アクションコミックス)

岡場所の屋根裏に住む無役の浪人は、腕を請われ隠密の正義の執行役を生業とする。剣の腕はかなり立つが処世術がいまひとつで結構良いように使われている感はある。
悪行ではない人斬り、だが命のやりとりで心身ともに削れる。ゆえにうまい飯で回復させる、ということで主人公にとって飯が最重要事項。そんな隠密剣術活劇と江戸庶民グルメを足した内容。グルメに傾倒した話かと思ったが存外隠密アクションの割合が多く初見では主題がぼやけているように感じた。
とはいえ主人公の仕事の話も飯を食うエピソードも素直に面白い。食事シーンの講説的ト書き説明は好みが分れるかもだが。劇画な文法だが劇画ほどの濃さが感じられないのは絵柄のせいか構成のせいか。作画はわりと繊細な筆致。個人的にはけっこう好み。

湯浅ヒトシ
アクションコミックス全2巻 / 双葉社
ジャンル:青年・時代劇・グルメ / 好み度:★★★☆☆