ティンダーリアの種 藤村あゆみ / 霜月はるか・日山尚

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原作が音楽CDという異色のコミカライズ作品。
町に住む人々のために森に資源を収集する役目を担う採取部隊に入隊したての青年ソルトはある日、森の中で仲間とはぐれた際、不思議な歌を歌い森のために生きるアリアの少女と出会う。
父親が大隊長であるが故、試験免除され周囲に七光りと疎まれ、また新米ゆえになかなか成果があがらないという状況の主人公。そんな中、不思議な少女と出会い物語が始まる。少女はアリアと呼ばれる存在で人間の間では恐ろしい悪魔という認識の存在。しかし実際に出会った少女は悪魔に見えず主人公はアリアと共存の道を進もうとするという展開。
アリアを悪魔としたのは人間側だけの解釈。森から搾取するだけになってしまった人間、森とともに生き続けるアリア。主人公と少女を中心に、アリアと人間との価値観の差異をどう埋めるのかというのがテーマ・・なのかな。
秀逸なドラマ構成と明確なテーマ、萌え的な狙った要素の少ない堅実かつ標準的な内容。物語と作画が似たような価値観を持っているからなのか、ストーリーの見せどころでの自然な演出が印象的でした。
ファンタジーに抵抗がなく純粋な人間ドラマが好きな人、というか寓話や絵本が好きな人向けか。

原作:霜月はるか・日山尚 / 作画:藤村あゆみ
ゼロサムコミックス全2巻 / 一迅社
ジャンル:ドラマ・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆