両親不在のため家計は厳しい4人兄弟家族、検事を目指す成人の兄のバイトが唯一の収入源。そんな台所事情の足しにと、中学生の長女は官能小説のコンテストに応募し、入賞する。とはいえ未成年が官能小説というのは問題があるので兄の名を使っていたのだが・・。
応募作が予想以上に反響を呼び、家計のこともあって、兄の同意のもと兄の名で小説を書き続けることになる主人公だが、思春期真っ只中の恥ずかしさと作品を描くための妄想とが行ったり来たりといったかんじ。思春期少女の恥じらいながらの妄想というのが作品の肝なのでしょうが、主人公の家族の1人としての面、小説家としての面、学校生活での面において様々な言動の描写はいい意味でめまぐるしく興味深く感じられます。他作品よりぶっとんだ設定が少なめな分、地味目とも言えるけど物語としては地に足がついていて読みやすいです。表情の描写が多彩でキャラが活きている印象も。
志賀伯
Fコミックスフラッパーシリーズ全3巻 / メディアファクトリー
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★☆☆