水戸のお局 他女性漫画4件 

水戸のお局 (フラワーコミックスアルファ)
<あらいきよこ
三十路のいわゆるお局OLが遭遇する会社トラブルの解決を主題にした話。主人公や同僚などが横領だ詐欺だといったことに巻き込まれ、その解決の中で人間関係描写も描くミステリ要素を含んだオフィスラブコメディ。主人公が水戸黄門のファンとか呼び名とか、人物設定の諸々に水戸黄門をモチーフにつかっており、ある意味勧善懲悪的な内容は件の時代劇ドラマにかけている模様。エピソードの組み方も人物描写もソツがなく読後感は良い。娯楽作品としては秀逸。

サキュバスの愛撫 (フラワーコミックス α)
<村田ゆか
恋愛関係でなんらかの不安や不満を持つ女性にサキュバス(女性型夢魔)がやってきて精と交換に望みを叶えると告げる、というファンタジーオムニパス。地味な容姿に悩む女子、過去のトラウマに悩む女性など様々な恋愛の形を描いた内容。スタンダードなのやコアなのや病み系とか、恋愛成就云々と言うより夢魔に出会った女性たちの迷走していた恋愛嗜好や方向性を確立させるってパターンが多い。読み物としては面白いが、心情描写は淡白で登場人物に感情移入しにくかった。夢魔自身の話も定番ちゃ定番だし。こういう夢魔が出てくるような話は女性向けだと存外少ないので印象には残りやすいかも。夢魔のお尻は絶品でした(おっさん発言)

君のノスタルジア (プリンセス・コミックス・プチ・プリ)
<よしだ斑鳩
魔法乙女と黄昏王子・綺羅星浪漫・君のノスタルジア・青色逃避行収録。表題作は、ノスタルジア、懐かしいと思う感情をきっかけとした大学准教授と女子大生の話。他は魔女の末裔と悪魔の話、雪国の小学校に教諭としてはいった女性と地元出身の俳優の話など。収録作はどれも恋愛一辺倒でなくミステリっぽい要素をひとひねり加えてあって話としては読みごたえがあった反面、抒情面というか心情描写的にはいまひとつな印象。最後の話はなんとなく大丈夫か?というオチだった。意図はそれなりにわかるんだけどね。

悩殺ボーイフレンド (ジュールコミックス(KoiYui 恋結))
<ささきゆきえ
父親の再婚で、父と離婚した母のもとへ行くことになった女子高生。母の職業は公務員と聞いていたが本当はクラブのママで、主人公はバニー姿で働くことになるわ、同級生の男子と遭遇しその男子は女装して母親のクラブで働いており、なにかとつっかかられるわと前途多難な新生活になるが、という恋愛と家族のコメディ。話自体はそれなりに面白いし、メインキャラの持つドラマもあるしもやっとする展開も少なくて良い。のだが、表現力不足なのか全体的に雑な印象を受ける。