沙門空海唐の国にて鬼と宴す 大西実生子/夢枕獏 


沙門空海唐の国にて鬼と宴す (カドカワデジタルコミックス)

遣唐使として大陸にやってきた、後の真言宗の祖となる空海と儒学生・橘逸勢の友情と彼らが関わる様々な怪異の物語。
役人の家に取り憑いた化け猫、路上で術を見せる術士、呪いを受けた遊妓・・そして皇帝に関わる事件にも、というかんじかな。原作が夢枕獏なので奇々怪々な要素も多分に含まれていますがぐいぐい引き込まれる。
作画担当の絵が物語のイメージによく合っていて、緻密で質が高い描写に加え、墨絵のような線画だけど漫画として読みやすいよう処理された筆致が見事。主人公たちの魅力的なキャラ描写や双方の自由なやりとりが実に興味深い。特に空海の僧としての面と砕けた飄々としたキャラがツボだった。

漫画:大西実生子/原作:夢枕獏
怪コミックス1巻 / 角川書店
ジャンル:青年・歴史ドラマ / 好み度:★★★☆☆