放課後のカリスマ スエカネクミコ

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舞台は歴史上の有名人・著名人のクローンが集う学園。学生たちはオリジナルの生涯を学びオリジナルを越えることを望まれている。主人公の少年は、そんな学園に在籍しつつも有名人のクローンではないという設定のSF系学園ファンタジーサスペンス。
クローンたちはオリジナルと同じ感性と思想を持つはずが、独自の望みを持つ生徒も出てきたり、学校を卒業した生徒がオリジナルと同じ末路をたどったりというエピソードで始まる。
オリジナルと同じ道を歩み同じ末路をたどるクローン、違う道を望み、一見学園側がそれを許諾し学園の外に出るクローン。クローンたちの苦悩とそれを見る主人公などのある意味青臭いドラマ、そしてクローンがなぜ作られるのかその存在意義などの謎が展開されています。
主人公が鈍感というか愚鈍というかそういうタイプだからかイラっとくることもあるし、苦悩するクローンたちの描写も切羽詰っているし、学園側の大人たちは独善的な態度だしで、個人的には読み進めづらい雰囲気のタイトル。特に客観的に見て独善的な講釈を語りにっこり笑って相手を非難するというシーンが気持ち悪かったなあ。生理的嫌悪にすら近い感情とか、あまりのことに開いた口が塞がらないってこういうことかと。
ある意味人間描写が秀逸というべきなのかもしれませんが。そしてクローンがらみの謎や怒涛の展開があれよあれよと続き、気がつけば引き込まれているわけで。手放しで面白いとは感じないものの、続きが気になり読み筒けるタイプのタイトルであるのは確か。

スエカネクミコ
イッキコミックス全12巻 / 小学館
ジャンル:青年・学園・アクション / 好み度:★★★☆☆