ダイヤモンド・センチュリー 橘水樹・櫻林子

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大きな規模と特殊な制度を持つダイヤモンド・センチュリーというアメリカンスクールに転校した少年・人。彼は学内で迷ってしまった際に出会った日系の少年と意気投合する。
家の事情から日本人の主人公はとあるアメリカンスクールに入学する。そこは学内の自治は生徒自身がやっているタイプの学園。というか敷地を4つにわけ国境線とし、各々に大統領と呼ばれる生徒総監を頭に生徒たちによって運営されるという本格的なもの。21世紀の担い手を育成するという名目のもと、社会の縮図ならぬ国家の縮図を体現した学園という舞台。
それゆえ起こる出来事は学園内というより社会でもありそうなこともあり、騒動とか事件といった構成ですがその根幹はやはり思春期の少年少女による人間ドラマと日常のような。
美麗な絵による表現は多彩で、特殊な学園設定と登場人物たちの行動や価値観、事件の展開などスタイリッシュだなという印象を受けました。質は高く、構成も練られていて読み応えのあるタイトルなのは確か。ものおじない気質の主人公とちょいワケありながら主人公とウマのあう相棒などキャラ設定もソツがないです。
しかし私自身としては正直心引かれるものが少なく感情移入できなかったので可もなく不可もなく。作品の質と読み手が面白く感じるか否かってのは別の話だなあとしみじみ思った次第。

橘水樹・櫻林子
HUGコミックス4巻 / 廣済堂出版
ジャンル:少女・学園 / 好み度:★★★☆☆

2009年にHUGコミックスより新装版発売。