死にたがりの獅子  他青年漫画5件 

アンモの地球生命誌 (アクションコミックス)
小川隆章
アンモナイトの生き残りのアンモが、自分の種がなぜ滅んだかという命題の元、時間を渡り、古生代から現代までの生命の歴史を体験するという話。地球においての種の繁栄と絶滅の過程から生命の営みを描く話で教材漫画的な構成。生命史に興味は薄くともわかりやすく知識を得られる点で良作。主人公が絶滅した種、ということもありせつなく感じる描写もある。★★★☆☆

エンカとハナミチ (アース・スターコミックス)
濱元 隆輔
アイドルを目指して名門学校に入学するもアイドルの必須要素の才能はいまいちなヒロイン。そんな中、演歌の作曲を手がける演歌大好き少女と出会い、女子ばかりの演歌部に所属することになる。近づきたくない分野で才能を発揮というのは幸なのか不幸なのか。演歌のウンチクネタも交えつつ高テンションで展開する百合×青春ものといったところか。なんとなく見たことある絵柄?と思ったらぷちえう゛ぁの人でした。可愛い女子の矢継ぎ早な言動は飽きない。とはいえキャラの可愛さや勢いだけでなく、演歌アイドルを目指す活動の描写はきちんと描かれていたように思う。主題と構成が巧いので1巻完結ではちょっともったいない気もするが長く続くだけの吸引力も感じられなかったのが正直なところ。

死にたがりの獅子 山川大蔵 幕末異聞 (単行本コミックス)
如月 弘鷹
山川大蔵(後の山川浩)の波乱万丈な半生を描いた歴史異聞もの。会津藩藩主への忠誠、新撰組の斎藤との交流などなど。策を弄して城内に入るエピソードが一番印象的だった。異聞とあるので史実と照らし合わせつつフィクションも織り交ぜた内容のよう。ト書きの部分はたぶん史実なのだろう。会津関連の知識がなくとも十二分に読ませる内容。絵は女性向けだが華美ではなく写実的で丁寧だし、いいバランスで戦の迫力も出ている。万人向けの手堅い内容の中にお茶目さが加味されているのが良かった。主人公山川をはじめ登場人物の描写に惚れる。★★★☆☆

まんがでわかる物語の学校 (単行本コミックス)
大塚 英志 野口克洋
題名通り、漫画において、ストーリー(物語)をつくるためのノウハウを詰めたハウツーもの。漫画の作画技術の本はわりとあるけど物語の組み立て方の本ってわりと少ない?わりと本気のレクチャー形式のようで、物語を本格的に作りたいというか趣味でなく仕事にしたい人向けかも知れない。読み手専門なので作り手側としては使えるのかわからないが真面目で濃い内容だと感じた。

熱帯魚のはらわた
はらざきたくま
童話・人魚姫にあこがれる女性ライターはある熱帯魚ショップに赴く、というはじまり。店長はいうにおよばずこの女性も怖い。エログロという紹介だったけどミステリ要素を期待してたんだけども・・、常軌を逸した人間像がメインだったorz映画のスピンオフらしい。きつい、とにかくきつかった。昔のほうがまだこういうのに耐性があったんだが年を取ったということか・・。