ビューティー・バニィ 吉野マリ 


ビューティー・バニィ (デザートコミックス)

化粧品会社の御曹司でメイク術に長けた男子と化粧や見た目を磨かない女子の話。銀座のホステスになると決めた母親のとばっちりで東京の学校に転入した主人公があるきっかけで化粧品会社の御曹司にメイクをしてもらったことにより関わりを持つようになる展開。
ヒロインが女を磨くことに離れていたのは母親の反面教師的なとこもあるのかな。御曹司側では事故で寝たきりの妹の代わりに自分がメイクして女装し妹名義でモデルになっているという設定が効いている。このふたりでは話が進まない部分もあるのか調整役・傍観役として御曹司と真逆タイプの穏やか男子も据えている。
各々のキャラの相関の設定と相手に対する様々な感情のあり方など丁寧な仕事をしている印象。ゴリ押しじゃなく一つ一つのエピソードや設定に自然な説得力があるというか。たとえば御曹司がブスというのは生まれ持った造形ではなくきちんと手入れしないことの非難とかね。恋愛が基軸なのだろうが地に足がついた成長物語の要素も含んでいるところに読み応えがある。

吉野マリ
デザートコミックス全8巻 / 講談社
ジャンル:女性・恋愛・ドラマ / 好み度:★★★☆☆