大学生・志九馬のバイト先のバーにやってきた夜の街に不釣合いなメガネの少年。ひょんなことから少年が酔いつぶれてしまい主人公が面倒を見ることになる。少年は一夜明けると態度が一変し俺様状態に。少年を追ってきているという怪物が現れ、なりゆきで主人公は少年とともにその怪物と戦う。
少年は冥府の王マーダスの生まれ変わりであり、怪物との一戦から主人公は彼の従者となる。主人公はクビになったバイトの変わりに執事のバイトを始める。そのバイト先は件の少年の家だったという展開。
主人公の主・マーダスが冥府に反旗を翻した理由、追っ手との戦い、敵側の状況、冥府の戦いに否応なしに加わることになった主人公とその妹、ダークファンタジーの要素とリアル社会の要素を混ぜ込んだ人間ドラマがメインかな。マーダスと主人公の妹のやりとりは、ありきたりながらもせつなかった。
特定のキャラのみならず、敵側、主人公側ともに人物描写が丁寧に描かれてるなあという印象。
完全に個人的な印象を述べると、マーダスや志九馬など主人公側のキャラクターはかなり好みながら、さりげなくシビアで危なっかしい展開なところに躊躇を感じる次第。この展開は著者のカラーでありこのタイトルの見所なんだろうけども。
大岩ケンジ
角川コミックスエース全2巻 / 角川書店
ジャンル:青年・ダークファンタジー / 好み度:★★★☆☆