死亡者も出た爆発事故が起きた直後、少女の家には見知らぬ悪魔が居座るようになり、変わりに父親は奇妙な形となっていた。悪魔は他の人間には見えず、形が変わった父親は他の人間には普通に見えているようだが・・。悪魔と少女と悪魔を追う天使と悪魔を憎む少年の物語。
もともとピクシブで発表され、改訂されて紙の本になった模様。全4話で主人公の少女が8・12・15・18~20歳の時のエピソードで区切られていますが絶妙な時間経過の構成だなと思いました。性急でも漫然でもない、少女が成人になるまでに、よく見かけるであろう日常的な出来事と非日常な悪魔が関わるやりとりを絡ませています。
同居人である悪魔は理知的というか理系男子ぽいキャラで、主人公はどこか達観したぽいキャラ、それに対応する熱情高いクラスメイトの男子と悪魔を追う立場の下っ端天使の配置も巧いなと。
読んだ限りでは同居人の悪魔が事故を起こす原因となった契約した女性の本当の意図を知るというのが主題の1つだったのかなと思います。著者の意図する主題と違うかもしれませんが。
設定は少々ややこしいですがわかりにくいわけでもなく読みやすい話だと思います。登場人物の各々思うところもわりと明確だったし。だたキャラづけがある意味茫洋とした方面で独特なので見方によってはパンチが少々足りなく感じるかも。
物語としては読みごたえがある作品でした。題名のダイモンは表紙にいる悪魔の固有名詞ではないとか、他作品とはちょっと違う目新しさを感じる設定とか構成がいろいろあったのが好みでした。なんとなくマンガというよりSF+ファンタジー系の純文学小説のほうが合いそうな題材だなとは感じたりも。
myun
このマンガがすごいコミックス全1巻 / 宝島社
ジャンル:青年・ファンタジー / 好み度:★★★★☆