ピーチツアー 遠藤淑子

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それは御伽噺の世界。あるとき武家のお坊ちゃんが鬼にさらわれてしまう。家臣は、鬼を退治した英雄・桃太郎の血を引く主人公の少女に子息奪還を依頼する。鬼は桃太郎に退治されたあと、生き残ったものたちがニュー鬼が島にいるという。少女は桃太郎が鬼からぶんどったという刀を持ち、武家の家臣一人とともに子息を救う旅に出る。
はじめは子息を救うのが目的で、ニュー鬼が島に行く前に成されたあとは少女自身の目的で島に向かうという展開。
主人公の少女が「桃太郎」、子息を連れ去られたまぬけな家臣が「犬」、助けた子息が「雉」、途中で出会う鬼の血が入っている海賊の若者が「申(さる)」という構成。
普通の鬼退治、というわけはもちろんなく、桃太郎(人間)の勝手な解釈で人間が鬼を侵略した形の祖先の過去の偉業。主人公の少女は殺すのではなく、鬼を知り共存の方向を望んで行動しています。作者独自の哲学的な展開。こ難しいようで実はストレートに理を説く力量は変わってないなあ。
最後に桃太郎の鬼側の身内が出て、旅は続きますって感じで終わっています。1巻のみなので正直ちと物足りない部分もありますが読み応えはけっこうありますね。
中途半端な終わり方のような気もしますが、1巻終わりにすごろく形式であとの顛末を描かれるよりは個人的にはマシでした。

遠藤淑子
Feelコミックスファンタジー全1巻 / 祥伝社
ジャンル:少女・冒険・ドラマ / 好み度:★★★★☆