花束を抱く男 他ボーイズラブ4件 

花束を抱く男 (バーズコミックス ルチルコレクション)
雪代 鞠絵 高久 尚子
原作つきBLドラマ。不器用で要領の悪い自分を歯がゆく思っている主人公は、友人の見舞いへ病院に行く途中に花束を抱えた男性に目を奪われる。その男性は友人の主治医だった。お人よし系の主人公と暗い過去を持つ医師、医師にある感情を持つ花屋が話の中核かな。昼ドラみたいな理不尽な展開と愛憎劇が続くタイプの話。ドラマチックなのはいいんだけどどーもキャラの心情が汲み取れないところが多かった。読後感は悪くない。原作小説を読めばいいのか。主人公の友人の役どころがきっかけだけというか変に中途半端だったのもちょっと残念。

面倒な男に好かれたら (あすかコミックスCL-DX)
おおやかずみ
実力はあるが傍若無人な美形WEBデザイナーとそれに振り回されるアシスタントの話。社員数人の小さなWEB会社が舞台。俺様系の攻が実は不器用で感情を表に出せない性格で、攻の感情をを読みとりきれない受にあたるという題名通り本当に面倒くさい。で、徐々に攻が受に依存していくという流れがミソかな。正統派少女漫画的展開が好みの人には楽しめるかと。絵も耽美寄りだしね。二人の潤滑剤だったりあて馬っぽかったりする立ち位置のライトなキャラの社長の存在も大きい。

こんな僕でも愛してくれる? (あすかコミックスCL-DX)
一城 れもん
表題作ほか、きみの全部が欲しいから・君だけを想ってる・愛してると伝えたい・きみがいちばん!ほか収録。表題作は、影で努力しをれを周囲に見せず天才風を吹かす主人公と主人公に常に屈託無い好意を示す幼馴染みの話。努力せず人気のある相手に嫉妬と独占欲を持つ主人公ってかんじか。他は潔癖症の恋人と触れあいたい主人公の話、表題作に似た相関でリーマンものなど。主人公側が悶々と悩んだ後に会話し結ばれるって流れが多いかな。どのキャラも女々しいタイプだし、人物の表情もナヨッとしたかんじ。ふたりのやりとりというか台詞のレトロ感が半端なくて個人的にいまひとつ。

正しい先輩のオトし方 (あすかコミックスCL-DX)
砧菜々
表題作他オモチャじゃありません。・ふつつか者ですが。・おためしください・キモチよくて困る!・ごほうびくださいを収録したBL短編集。表題作は技術畑出身の新米営業とその教育係の敏腕営業の、新米×眼鏡上司リーマンもの。まっすぐ気質とクール系のやりとりが見所。短編集だがどの話も存外エピソードの手数は多かったように思う。ただ個人的にちょっと気恥ずかしい展開も多かったかな。総体的に片方が片想いなどでグルグルと空回りするも、実は相思相愛だったというオチ。今時のお手本BLといったかんじ。絵は達者で長・等身高めの絵柄。線の処理も無駄がなく丁寧で安定感がある。