表題作他黄昏恋々・星は暁のかげ・しのびごとを収録した短編集。
前3篇は吸血鬼と人間の話。牙が折れた吸血鬼の男性と村八分になっている少女、自殺する間際に女吸血鬼に咬まれ吸血鬼となった少女と虚ろな小説家の男性、2話目に登場した女吸血鬼と神父。吸血鬼というモチーフを活かした寂寥と静謐の仲に生きたいという望みみたいな何かを感じる内容。うまく言えないけどいい意味で綺麗な話という印象だった。
最後は生まれ変わりの話。著者の込めた主題がとてもわかりやすく描写されている。ちょっと共感する部分があるゆえかしっくりくる話だった。
巻末には物語の要の1つでもある姪っ子の視点の話がある。主人公たちより大人なキャラが素晴しい。
草川為
花とゆめコミックス全1巻 / 白泉社
ジャンル:少女・ファンタジー / 好み度:★★★★☆