ファンタスティカ ゴツボ★マサル

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超絶能力を持つ英雄の兄を目標に鍛錬する青年と彼に助けられ慕う少女をはじめとする人々が織り成すファンタジーアクションコメディ。
剣と魔法と竜の西欧風ファンタジー世界が舞台。凶暴で巨大な竜をあっさり倒すほどの能力を持ち王族と国民の信頼も厚い英雄の兄を持つ青年が一応主人公。ある日、主人公の職場に新任の少女がやってくる。その少女は、過去主人公に助けられて以来主人公を慕い続けようやく会えたと喜ぶ。しかし自分を魔物から助けたほど強い主人公が門番の職に甘んじていることに憤りを感じる。主人公いわく「どえらいこと」になるから戦闘は駄目ということだが・・。
一応青年を主人公と書きましたが、1話1エピソード形式で、エピソードごとに主役の人物が違う構成。といっても登場するキャラは重複してますが。登場人物がけっこう多い割りに各々のキャラをフィーチャーした話の集合という構成なので混乱なく読めます。
主人公の過去と現在を説明するオープニングな話、主人公と似たような境遇の影が薄く国民にまったく認知されていない不憫な正室の王子の話、主人公の「どえらいこと」を治そうとする話、英雄で言うことない人生のはずの兄にもおもしろくないことはあるんだよな話、と各種とりそろっております。とりあえず、能力が高く人々から尊敬の的である「すごい人間」の兄たちに追いつけ追い越せとそれなりにがんばる弟たちってのがメインテーマになるのかな?
活き活きとしたキャラたちによる、いい意味でグダグダなテンションで紡がれるドラマという構図がたまらなく面白い。テンション高めのスタイリッシュなテンポの展開と会話、踊るようなアクション描写、韻をふむがごとくな緻密な人間描写とストーリー構成も見所。
個人的には掛け値なしに面白く読めるエンタメ傾向の強いタイトル。だまされたと思って読んでみて!と断言できます。多分(笑)

ゴツボ★マサル
角川コミックスエース全1巻 / 角川書店
ジャンル:少年・ファンタジーアクション / 好み度:★★★★★