アリスと蔵六 今井哲也

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ある研究所から脱走し初めて外の世界を知る少女と由緒正しい頑固親父が出会うったことから始まる物語。
筋を通す懐かしい頑固親父気質の老人は、勝気だが世間知らずのような少女と出会う。少女は特殊な能力の持ち主で外界と隔離された研究所から逃げ出したらしく、追手もかかっている模様。一度は少女から離れるもなし崩しに老人の家にとどまることになり、というはじまり。
少女と老人のバックボーンを説明ト書きに頼らずに描写、キャラ自身の印象も強くさせ、かつ物語の肝となる設定の自然な出し方、老人と幼女という鉄板なコンビとか勝気な少女に対応する温和な老人の孫娘、追手たちなど人物の配置が絶妙です。
物語としてかなり読み応えのある印象を受ける内容。
どの人物の描き方も魅力的なのがこの作品の一番好きなところです。人物同士のやりとりが暖かいものでも辛痛いものでも印象に深く残るというか。ちなみに主人公の老人は、頑固親父、といっても自分勝手な理論ではなく、子供が誤ったことをしたらきちんと大人がしかるという竹を割った気質。どこか懐かしさを覚えます。

今井哲也
リュウコミックス1~巻 / 徳間書店
ジャンル:青年・ドラマ・SF / 好み度:★★★★☆

追手側の能力というか相方の大きな手がなつい。