19世紀末のパリ。有名な商会の支店長を勤める画商の青年は、勤務態度は勤勉ではないが確実に売り上げる才を持つ。彼の名はテオドルス。画家・フィンセント・ファン・ゴッホの弟である。画家と画商の兄弟の物語。
死後評価された画家ゴッホの弟を主人公にした物語。彼のひととなりや画商の業界の現状と彼の立ち位置、彼が支援する兄・ゴッホとの交流などが描かれています。導入部分や人物描写など、やはり引きこまれる、読ませる内容だなと感じました。実在する人物の物語なので、物語も無難なところに落としているかんじです。さほど長編というわけでもないので、この兄弟をテーマに描く物語としてはいいタイトルだったと思います。余談ですが主人公の描写が素直にかっこいいし、弟の笑顔が可愛いと感じました。
読み手のゴッホ兄弟に関する知識の量によって感じる印象も違うと思いますが、私は楽しめました。著者の構成力と表現力が秀逸だからなんだろうなあと。
穂積
フラワーコミックスα全2巻 / 小学館
ジャンル:女性・伝記 / 好み度:★★★★☆