アンデッド 井上和郎

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アンデッドとは現世に未練がある人間がなる。いわゆるゾンビに近いが、生前とかわらない姿であり伝染などの害はなく、あえて言うなら腐敗臭が難点。そして感極まると体温があがり腐敗が進み、未練を払拭すると消滅するという。そんな生前の記憶もあり理性もある生ける屍・アンデッドにまつわるドラマとコメディのオムニパスストーリー。
読ませるラブコメ作家が描くホラーもの・・かな。それ故、異形の存在自体をクローズアップさせる生粋のホラーものというより、ともにいる時間が限られたアンデッドと人間の交流を描いた人間ドラマといったほうがいいですね。
初恋同士で生前かなわなかったデートを未練とした少女、受験生や殺し屋、娘を心配する父親といったアンデッドが登場。
しんみりする話ばかりではなくコメディを加味しているところは作者のカラーか。設定が特殊なところが新境地であって内容は他のタイトルとおなじ内容だなーと思ったりも。いやそれがいいんですがね。
最後は社会問題になりアンデッドをどう扱うかで国が対策を行うという話で〆られています。この構成もうまいなあと感じたり。

井上和郎
ビッグコミックス全1巻/小学館
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★☆☆