路地裏のビデオ屋にある５００万のＡＶを巡る人間模様。その高額なＡＶは完全受注制作で、顧客が登場させたい女性が顧客の望む内容で見られるというもの。
出演する女性は本人ではなく、本人そっくりに整形し、綿密なリサーチで女性の仕草や性癖を真似た女優である。知人の女性をＡＶとして見たいわけなので顧客の歪んだ欲や安城の吐露が強烈。またＡＶの出演する女優は、無理強いではなく自分の意思で整形し演じており、それだけに彼女らの闇もなかなかに深い。
だが物語の肝はそんなＡＶの制作サイドのドラマにありそう。主題が主題だけにエピソードもわかりやすい幸福な結果ではない空虚を感じるものばかりだが読後感は悪くない。奇を衒っただけでないドラマ描写のさじ加減が秀逸なのだろう。
高橋一仁
芳文社コミックス全４巻 / 芳文社
ジャンル：青年・サスペンス / 好み度：★★★☆★