大量に人が死ぬと冥府に死人があふれることになる。閻魔王はそれを防ぐため、紙人形から人間の少女を模り意志を持たせ、大量の死人が出る原因となる人間の骨を抜き処分する役目をあたえる。その閻魔王の紙人形がエンマ。彼女は骨を抜く対象にしばらく関わり、ほおっておくと大量に人が死に続けると判断すればその人間の骨を抜くことになる。
ターゲットとなる人間はその行いは残虐で死人を作る罪悪ですが、行動理由は人間的というか同情する面が多々あるところ、またエンマは人に非ずの存在ゆえ人間の行動や感情に関してわからないことが多く、ターゲットの人間と接する中で人間に対する疑問を持ったり、人間自身が見失っていることを相手に告げたりするというところがこの話の肝のようです。エンマがただ使役される自由意志を持たない人形ではないという設定が活きてますね。
骨を抜く際、その人間を想う人間の数だけ「閻魔王のお情け」として抜く骨が免除されると言う設定も、ターゲットの人間のドラマをより深いものにしている感じ。
日本戦国時代や御伽噺の時代、中世ヨーロッパとその舞台も年代も様々。そのほとんどはやるせない結末が多いものの物語としてはかなり読み応えのある構成。既存の事実や物語をうまく味付けしているなあと感じました。
1話完結形式の連作がしばらく続きますが、徐々にエンマや閻魔王の思惑といった冥府に関わる本筋が語られていく模様。
原作:土屋計 / 漫画:ののやまさき
ライバル講談社コミックス全8巻 / 講談社
ジャンル:少年・ドラマ / 好み度:★★★★☆