特撮ヒーローで見るような「怪人」たちの、庶民的な日常生活を描いたオムニパスコメディ。
サンレッドみたく悪の組織にいそうな怪人が一般社会に普通にとけこんでいる世界設定。世界制服だ悪の組織だ眷族だということですが根が善人気質、というあたりはサンレッドと同じ。
世界征服を夢見て独立するも実現できないジレンマの怪人、日本征服しにきたのにいつの間にかお笑い芸人になっていた怪人、人間界の食べ物にカルチャーショックを覚える王、ミュージシャンの夢を追って人間界にいる息子に会いにきた王様の怪人と、実にさまざまな怪人の悲喜こもごもなエピソードがつらつらと描かれています。
オムニパス形式なのでエピソードはまったく独立しています。似たようなキャラデザの怪人もいたりでちょっと混乱したのは内緒。個人的に印象に残ったのは息子に会いに行く親父の怪人の話。なんかほろりときました。
著者は悲しい味のコメディをテーマにしているようで。確かに落ち着いた雰囲気というか人情味とか哀愁とかは他作品より感じます。サンレッドは家族、こちらは独り者の生活形態の怪人が多いからかな。基本ネタはサンレッドと差異はないけれど青年誌の年齢層にうまく合った演出と構成にしてるなあと感じたり。
人間界で一発あてようみたいな怪人のネタや人情ものが多めかな。しかし1話1話あたらしく設定をつくるのは大変そう。複数のネタを使いまわしている場合もあるけどね。
それにしても○ナルドも怪人・・・なんすか?アースカイザーってヒーローの名前なんすか?
くぼたまこと
モーニングKC全2巻 / 講談社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★☆