父を取り合い喧嘩をする異能の力を持つ姉妹。それなりに平和な日常は姉妹の前に現れた高位の異能者の襲撃によって破られる。
原作つきなのでラノベ原作かと思ったらそうでもないようで。冒頭はコメディにあるような姉妹喧嘩ではじまる。その内容から萌えものにありがちなコミカルな話かと思いきや、シリアスというかシビアな設定と展開に。
当初主人公は大好きな父と二人暮らしだったが、のちにお嬢様的容姿の妹が加わった家族構成。父はあからさまに妹を溺愛する態度で面白くない主人公。そんな人間関係に加え、姉妹には特殊な能力持ちで肌に能力レベルを示す数字が出る、そして主人公の能力は靴ひもを操る能力・・ってそれどう使うんだろうと首をかしげる設定が次々と出てくる。
後々その能力設定は本筋となるバトルに活かされるのはいいのだが、主人公の異能のほかにもう一つ秀でた能力がありそれが読み手にわかるタイミングとか、父親や妹の言動とか、こまごまとした構成がちょっとなじめなかったかも。１つ１つは特徴があって面白い設定なんだけど・・なんだろう上手いく言えないけどタイミングがずれた時の違和感みたいなものを感じた。シビアすぎる展開もちょっと辛かったけどこのあたりは好みの問題。ありがちでも飽きるがとっかかりがなじみにくいのも困るなと思った作品。主人公のもうひとつの能力、チェスにおける先読みの描写は良かった。定番ではないシリアスとバトルを読みたい人にはいいと思う。
漫画：仲村ユキトシ / 原作：朝霧カフカ
角川コミックスエース全３巻 / 角川書店
ジャンル：少年・バトル /好み度：★★★☆☆