「あの商店街の、本屋の、小さな奥さんのお話。」 高橋しん

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大きな戦争から10年、人々の暮らしがようやく落ち着き始めた頃、嫁いで一週間で夫を亡くした小さな奥さんが、夫が残した本屋を続けていくお話。
後に本屋の街として有名になるも現在はのどかな田舎の町が舞台。主人公は小さな奥さん。結婚すぐに旦那さんが急逝、純朴だが生い立ちから知識が乏しい奥さんは周辺住民の協力を得つつ旦那さんの思いの詰まった本屋をゆっくりと独自の方法で続けていくせつないハートフルストーリー、といったかんじ。
奥さんが少しずつ生活力をスキルアップする過程とか亡き旦那さんへの思慕とか近隣住民との交流とか、本というか本に関する様々な感情とか、おそらくは物語の語り手である奥さんを見守る青年の視点とかが見所かな。
感情の吐露のドラマチックな演出、じんわりとあたたかさとせつなさが心に染みていく作風は健在。奥さんのビジュアルとかキャラとか他作品と(とくに花と奥たん)ほぼ同じでほんとブレないなあ。著者の理想の女性像なのか単に描きやすいのか作風に合うヒロインとなるとこうなるのか。

高橋しん
「あの商店街の、本屋の、小さな奥さんのお話。」
「あの商店街の、本屋の、小さな奥さんのお話。」初恋本屋。
花とゆめコミックススペシャル2巻 / 白泉社
ジャンル:女性・ドラマ / 好み度:★★★☆☆