交通の要に位置する砂漠と草原のトルキエ将国は１３の州に分かれ格州は将軍によって治められれいる。最年少で将軍となった少年将軍の物語。
アラブ系というか中近東をイメージした世界観のエキゾチックなファンタジーもの。と言ってもストーリーは超常の力の設定がほとんどないリアリティのある政治と戦争の物語です。
主人公の住む国は完全実力主義で能力さえあれば年齢はほぼ問われないということで少年である主人公も国の要人となっている設定。主人公は戦争で肉親をなくし戦争をおこさないように国の将軍にのしあがったというバックボーンがあります。
現在自国は軍事国家の隣国と緊張状態にあり隣国はすきあらば自国に侵略しようと画策している。隣国から難題をふっかけられまたは策略をめぐらされる状況で、あくまで信念を貫く主人公の行動とは、といった感じ。
国の要人の議論のシーンや策略・謀略といった展開の組み立て、そして政治的なかけひきといった要素がうまく整理され展開していっているのでややこしい話でもすんなり入っていけます。国同士の話なのでどうしても登場人物の数がかなり多くなっていますが、はじめのうちはとまどいますが読み進めるうちに整理されていけると思います。
ただ、最初のエピソードで予定未来を提示したところが個人的にマイナス面。どのみちそうなるとわかっていてもそうならないかもと期待して読むほうが好きなもので。
白と黒がはっきりした高い画力をうかがわせる作画でストーリーの雰囲気によくあっています。キャラの描き分けもうまいなあ。
キャラ重視でない、密度の高い戦略系のファンタジー戦記がお好きな人にはおすすめ。キャラも魅力的ですけどね。
カトウコトノ
シリウスコミックス１～ / 講談社
ジャンル：少年・ファンタジー / 好み度：★★★☆☆