構築物が崩れ危険な状態の閉ざされた場所、殺人鬼の強襲の恐怖を描いたサスペンスアクション。
崩れた部屋で目覚める女子学生。気がつくと、自我を失ったような人間に襲われた恐怖と現状の惨状の衝撃が彼女を襲う。そして彼女は仲間を探す。・・・というオープニングで始まる物語。
その後彼女は同級生と合流し彼女たちのいる場所は転覆した豪華客船の中というのがわかる仕組み。殺人鬼と水と崩壊の恐怖に晒されながら主人公たちが脱出できるかというサスペンスもののよう。ちなみに殺人鬼は特定の条件下で伝播する模様。海の中に浮く船という揺れる場と、存在するもはや人ではない者で、題名が魍魎の揺りかごかなのね。
客船が転覆したのはともかく殺人鬼の存在がいきなりで当初物語に入りにくかったかな。はじめは転覆の惨状の中1人1人合流した時点で殺人鬼を出しても良かった気もしますが。それだと平凡になるのかな。確かに物語のオープニングはインパクトが強かったですが。
おそらく主格の視点となる女子、なまじ聡明だからか周囲の和を考えず行動する男子、危険な状況下での人間描写、特に思春期の人間の行動描写はなんかリアリティがあるなあと感じたり。極限状態での人間の尊厳ってのも織り込まれている印象。
鬼燈の島とはまた違った面で話がどう進むのかが気になるタイトル。
三部けい
ヤングガンガンコミックス全6巻 / スクウェアエニックス
ジャンル:サスペンスホラー・青年 / 好み度:★★★☆☆