ゆきのはなふる わかつきめぐみ


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お山の管理を勤める主様とお付きの者たちの日常や恋愛模様を綴ったハートフルストーリー。
日本昔話のような世界観。山には主様と呼ばれる管理者が1人ずつおり、その下で働く人たちが住んでいる。
登場キャラの服装は平安時代や武家時代の公家のそれに近いかな。主さま、姫、お池係、雪師といった職業(?)があり、仙人あたりをイメージするとしっくりとくる模様。細々した御伽噺のような設定がツボでした。
短編・中篇集ですが、どのお話も同じ世界観です。草食系の男の主さまと、あけすけに物を言う姫の恋愛コメディをはじめとする恋の短編と、表題作であるシリアスでせつない物語が収録されています。表題作が一番長いお話でかつ描きおろし作品という・・。
表題作はとある主さまが拾った半端に動く女性の自動人形をめぐるお話。ゆるやかで、でも凛とした雰囲気で綴られるせつなく悲しくけれどとても優しくもある物語。
完全なハッピーエンドじゃないのに読後感は良かったですね。別れは特別ではないものなのだとふと感じたタイトル。

わかつきめぐみ / 白泉社全1巻
ジャンル:少女・ファンタジー / 好み度:★★★★★