1997年香港。心根の優しいゴシップ週刊誌の記者の青年は週末に記憶がなくなることがある。そんな中、なじみの骨董屋の主人から麒麟の置物と角の形のペンダントをもらうが・・。返還前後の香港を舞台に鬼にまつわるオリエンタルファンタジー。
主人公の青年はゴシップ週刊誌の記者という仕事を持つが心根が優しい性格。取材をするのもうまくいかず忙しい日々をすごし週末には記憶が途切れるという悩みがあった。そんな中、なじみも骨董屋の主人から麒麟の置物と角のペンダントをもらう。
麒麟の置物は、本物の意思を持つ麒麟が入っており、角をつけるとヒトカタもとれる女性人格の麒麟となり、角をつけた人物を主とみなす。青年の記憶が途切れるのはその間別の人格が彼の体を動かしているという設定。風水、霊獣、鬼、香港の持つどこか不可思議な雰囲気を十二分に活かしたオリエンタルファンタジー。
香港と鬼にまつわる本筋はなかなか緻密に組まれた構成で、興味深い仕上がりです。また優しい気質の青年とクールで俺様な気質の週末の青年と女性人格の麒麟の三角関係なラブコメっぽい展開も面白いというか微笑ましかったなあ。
麒麟が乙女で健気で可愛いし、当初何も知らない青年の純朴度、週末の青年の俺様っぷりもツボで、登場キャラのやりとりが生き生きしていて楽しめました。
篠原烏童
ソノラマコミック文庫全3巻 / 朝日新聞出版
ジャンル:少女・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆