過去の負傷から後天的に霊が見えるようになった刑事の青年。殺人現場に赴き、死体の霊に語りかけ犯人を追う。
オカルト要素を加味した刑事もの。主人公の刑事の青年は、過去の事件で頭部を負傷しそれが原因なのか、以後霊が見えるようになる。殺人現場にある死体のそばには霊がおり、主人公はその霊と話をすることも可能で、本人に殺人の状況を聞く・・というはじまりで話が進む。
オカルト要素はあるが、基本は事件を解決する刑事ものであり、事件解決のための要素に被害者本人の声も加わっているというかんじ。死者の事情聴取は、オカルトものほど不確かな存在となったゆえの曖昧さは少なく、ほぼ生者と同じスタンスで主人公との会話が成立する。霊といえど人間、隠すことも嘘をつくこともあるし混乱して話にならない場合もあるし、肉体の損傷場所によっては記憶があいまいということもある。そのほかには肉体が火葬するまでが霊と会話できるリミットなど割りと細かく作られている。
1事件1エピソード展開が多いかな。事件の意外な全容とやるせない結末など人間ドラマ的要素が濃い目。一方で少々ご都合主義というか娯楽ものにありがちなチープな展開が目につくような気がする。
青年向けと思ったけど少年向けなのかな。だとしたら納得なのだが。このレーベルはどっちか微妙だからなあ。余談だが著者の既作品と似た設定なので原作つきとは意外だった。
原案:金城一紀 / 漫画:小手川ゆあ
角川コミックスエース全4巻 / 角川書店
ジャンル:青年・サスペンス / 好み度:★★★☆☆