主人公は26歳の青年。育ての親が保育園の園長をしている関係で保育士として働いている。自分が面白いと思った物語を園児に聞かせるもののウケず園児の一人にはダメだしをされてしまう。そんな中、寄席を見る機会がありそれに衝撃を受けかつ様々な出会いを経た後、宙ぶらりんな自分の状況を鑑みて落語の道に進むことを決意するという流れ。
主人公が落語に傾倒していく過程では、寄席で本物を見た衝撃や幼少の頃の体験や運命的な出会いなど多くの要因をつけているあたりは、それなりの年齢で新しい道を進む決断をするという点で現実的というべきか。
導入としてはまどろこしさがなきにしもあらずですが無駄だと思える要素もないのでするりと読めました。主人公に近しいもしくは近しくなりそうな女性陣がさりげなく配置され大人の恋愛要素もありそうな。
実に堅実で丁寧なつくりのタイトル。落語の世界や噺の筋など興味深い内容が詰まっています。ただ落語自体に興味を持たせるという意味では個人差があるかなとも。
尾瀬あきら
ビッグコミックス全18巻 / 小学館
ジャンル:青年・業界 / 好み度:★★★☆☆
落語つったら故2代目桂枝雀氏の噺しか記憶にない。長いけど面白かったなあ。あれは上方落語のほうだけど。