白雪姫、赤ずきん、3匹の子豚・・童話世界の登場人物たちの名前と設定を模したキャラたちによるドタバタコメディチックなお話。
童話の有名人の名前と元ネタ設定の一部を使いつつオリジナルな世界観を出すという構成。今の流行で言うところの戦国キャラものに近いような。
主人公の少女・白雪は義母との確執戦争後、たくましくそしてお金にシビアになり、彼女を拾った7人の小人のうち3人を連れて設立したカフェ「フローズンアップル」が物語の主な舞台となります。主人公が白雪なので王子様も出てきますが結婚相手ではなく店の支援者として登場。王子はフィギュア系マニア嗜好で、白雪には恋愛的好意が薄いみたい。白雪は王子に惚れてるけど。ほかには店のライバルの強気タイプの赤ずきん、人魚というかマーマン、人間型の3びきのこぶた兄弟(内1匹は途中までまんま豚)、常に顔を隠している白雪の義母など。
ビジュアルや性格など、登場人物たちは一癖も二癖もある個性的なキャラばかりで、舞台設定も童話世界のようでいて現代社会的要素もたっぷりといった具合。4コマの肝の1つである、各々のキャラ設定や人物相関はインパクトを出しつつも基本をおさえたつくり。キャラは魅力的だし絵はかわいいし、癒しから苦笑ものまでいろんな種類の笑いを提供してくれるタイトルでした。
ただ物語の構成としては、単発ネタの集合という基本的な4コマタイプとしても4コマ割り形式のストーリーものとしても中途半端な印象が否めませんでした。4コマ的単発エピソードが多い前半は面白く読めたのですが、中盤から以降ストーリーとしての核心に迫るほどしっくりこないところが出てきて面白さが失墜してしまったんですよね。
蒼月ユズ
ゼロサムコミックス全1巻 / 一迅社
ジャンル:4コマ・メルヘンコメディ / 好み度:★★★☆☆