地球は僕が回す 井上ナヲ

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周囲の環境に馴染めずクラスメイトにも幼馴染みにも疎外感を覚えていた男子は、自分を夢を喰う獏と名乗る少女と共に夢の迷宮へ入ってしまうのだが・・。
現状が灰色、ひとり取り残されたような自分の望みとかみ合わないような日常を過ごす男子は、突如自分の部屋に現れた不思議な少女と出会う。少女は言う。この世は男子の思い通りになると。
幼馴染みの男子や幼少時から恋心を抱いていた兄の婚約者への揺れ動く感情の描写。主人公がいるのは夢の中か不可思議な別の世界なのか、というファンタジーサスペンス的な要素も加わる。主人公と少女の茫洋としたやりとりと主人公を「夢の中」につなぎ止めるものはなにか、主人公の選択は何かという謎が物語の肝のよう。
ほぼトーンを使わない白と黒のみの画面が印象的だし作品の内容にはあっているように思う。しかしゆるやかに積んでは崩しな構成というか終始茫洋とした雰囲気でメリハリがないというか・・。夢の中という舞台の雰囲気を壊さないためなのかもしれないが途中でちょっと飽きてくる可能性も。ラストの締め方は綺麗だと思う。

井上ナヲ
フィールコミックスファンタジー全1巻 / 祥伝社
ジャンル:女性・ファンタジー / 好み度:★★☆☆☆