クレープを二度食えば とり・みき

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もうひとつの転校生・望楼・クレープを二度食えば・砂浜のメリークリスマス・羽根の塔・カットバック・銀がネットワークで歌を歌ったクジラを収録した著者の作品集。
正確には未収録分を追加した再版なんだけど、自分は初見なのでこちらに。
7編が収録されているけれど、印象に残ったのはやはりそれなりにあとの作品であろう、もうひとつの転校生と表題作であるクレープを二度食えば、です。
もうひとつの転校生は、とりかえばや学園物といったところか。映画「転校生」のアナザーストーリーって裏の説明があるけど元映画知らないのでこの作品を読んだ印象だけで書いてます。
ひょんなことから男子学生と女子学生が入れ替わった・・という数多ある設定が基盤となっている内容なのですが、こちらは作品の主人公というか視点が入れ替わった当事者ではなく、物語においてはサブキャラ的立ち位置の男子学生というところが最大の特徴。まあ主要人物ではあるのですが。当事者の視点から描かれていないので、入れ替わったかのような事柄が多々あるものの、本当に入れ替わったのか、それとも入れ替わったように振舞っていただけなのか、その答えが不明瞭、というところがツボでした。
クレープを二度食えばは、いわゆるタイムスリップというかタイムトラベラーもの。いまでは手垢にまみれた設定ですが(当時でもそうだった?)タイムトラベルの妙を十二分に活かした内容で面白かったです。
まあ内容よりも、80年代~90年代くらい?の当時の世情の描写にいろいろ思うところがありました。服装とか流行とか。うおー。
他作品も懐かしいというかノスタルジックに浸ってしまう絵柄でした。著者の話は最近読み始めたと思っていたけど、知らずにけっこう読んでいるのかも・・とも。

とり・みき
リュウコミックス全1巻 / 徳間書店
ジャンル:青年 / 好み度:★★★★☆