今となっては化石でしか見ることができない「三葉虫」をテーマにしたオム二パス作品集。
投げっぱなしなオチがつく独特の切れ味がある短編の集合体です。猫が来ると楽しみに帰ってみると三葉虫だったり、幼い女の子と三葉虫のお留守番風景だったり、三葉虫怪人になった青年の物語だったりと、三葉虫が出てくる以外は内容に一貫性がありません。この独特の雰囲気は作者にしか出せないだろうなあと思います。個人的には「エッちゃんの場合」が面白かったです。子供の無知ゆえの無邪気さと残酷さが表現されていますね。あとものすごくせつなかったのは「佐藤くんの場合」。彼の心理描写には泣けたと同時に昔見た特撮ものに感じたやるせなさを思い出しました。これも面白いと感じる人とつまらない(意味がわからない)と感じる人がいる作品かも。
余談ですが、初めてこのタイトルを見たとき細胞三畳紀って読んでました(汗)
あさりよしとお
アフタヌーンコミックス全1巻/講談社
ジャンル:ギャグ・ユーモア / 好み度:★★★★☆