※2008年に著者の短編・中篇作品は藤崎竜作品集(全3巻)にまとめられました。
以下はDRAMATIC IRONY(ジャンプコミックス)に収録された内容とその感想です。
作品集では1巻、3巻に収録された内容の一部にあたります。
「DRAMATIC IRONY」
仮想現実を体験する機械で漫画を楽しむようになった世界に住む少年が「ドラマティックアイロニー」という漫画の世界を体感していくという物語。作品自体は普通の冒険モノで、深いテーマがありそうなんですがが私には何も感じられなかったです。漫画の主人公が滅する対象を許した場合、身体の機能が麻痺する(失明するとか)という設定はツボでしたが。
「ユガミズム」
精神の影響で空間を歪めてしまう少年と彼を研究対象にしている少女の物語。つまるところ変わった設定の恋愛ものです。可もなく不可もなくといった感じ。いまいち盛り上がりにかけていたような気も。
「milk junkie」
背が低いことが悩みの種の少年が怪しげな薬局で、背が伸びる牛乳を買うが......。これが一番面白かったかも。オチもキレが良かったです。
「異説封神演義」
「封神演義」の作者自らのパロディ版。太公望がトラブルメーカーの女の子になっています。短編なので登場するキャラも少なく、本伝とはかなりキャラが違う登場人物もいたり。四象は衝撃的でした。なんかヤバいものを感じるのは私だけではないでしょう......。私はパロディものは好きな方なので楽しめましたが、本伝の世界観は崩壊しているの人によっては読まない方がいいのかも。
藤崎竜
集英社文庫/全3巻/集英社
ジャンル:少年・短編集 / 好み度:★★★★☆