魔都・東京を舞台に、巨大財閥の孫娘が運営する探偵事務所のメンバーである3人の少年少女の活躍を描いた物語。主人公である3人は、世界に10枚とない万能カードC・Jカードを駆使し、バックの財閥の財源を湯水のように使って難解な事件を解決していきます。物語の雰囲気がちょっと怪奇っぽい冒険活劇といったところでしょうか。
事件のからくりも凝っていて、手に汗握る展開。また、登場キャラクターたちは一癖も二癖もある個性派ぞろい。頭脳明晰で美形で同性愛嗜好の少年ジャッキー、とにかく倹約家でお金大好きの少女マリーン、おっさん面で俳句が趣味のポパイ、そして独特の美意識を持つ怪盗男爵ブラック。彼らの行動は一つ一つが面白く、テンポが良いのです。
国鉄民営化とかM資金とか昭和天皇とか巨大蛾とか、作中に起こる事件はまさに昭和を象徴するものが多く、また、主人公たち(つか主にジャッキーとさやか)が事件を解決するために行う浪費っぷりはバブル時代の投影のようでもあります。まあバブルがはじけた現在でも似たような世界はあると思いますが。
現在は文庫で再発行されていますが、巻末に最近描かれたであろう作品も載っています。......絵がぜんぜん違う......;作品自体もインパクトが薄かったのは時代の流れなのでしょうか。
細野不二彦
少年ビッグコミックス全6巻 / 講談社
MF文庫/全3巻/メディアファクトリー
ジャンル:少年・ミステリー・活劇 / 好み度:★★★★★
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東京探偵団/細野不二彦From: オヤジマンガ図鑑 / 2005.12.31