江戸から明治にかけての、毒婦・悪女と呼ばれる女が起こした事件を描いたオムニパス集。
男を土台にのし上がる、男の情に固執するなど、妖艶な美女たちが絡む男と女の物語。江戸~明治版女の事件簿もしくはふた昔くらい前のゴシップ番組を彷彿とさせる内容。あべさだ事件みたいな、根本はありがちだけど事象がショッキングな事件、というかんじ。
エロスというより官能、劇画調のねちっこくもリアルな男女の愛憎劇。エロス描写よりも濃い男と女のドラマ描写が前面に出ている印象。そういやこの著者ってグルメものが多いけどこういうのも描かれるんですね。
酸いも甘いもかみわけた~ってフレーズが頭をよぎるなあ。昭和のドラマとか映画とかこういう雰囲気のものがけっこうあったよなあ。毒婦だ悪女だつって女の魔性が悪って風潮があるけどこういう場合男もたいがいだと思ってしまうのは私が女だからか。
土山しげる
ニチブンコミックス1巻 /日本文芸社
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★☆☆