看護助手を勤めるナナちゃんの視点から描かれる患者さんたちや病院内の出来事を綴った短編連作集。
漫画というよりコミックエッセイのような印象を受けるタイトル。デフォルメされたカットデザイン画のような絵柄と短編連作という構成のせいかな？
まあ実際著者は３年間看護助手を勤めており、登場人物は架空であるもののほぼ実話を元に描かれている気がします。
１エピソードが２ページ構成で主人公がお世話した患者さんとの交流や患者さんのエピソードが綴られています。ガンを告知された40代女性、入退院を繰り返す馴染み顔の男性、禁止された食べ物をこっそり食べちゃう男性、主人公の仕事の内容とかトラブルの話とか、いろいろさまざま。
病院や病気をテーマにした話は気が滅入るのであまり好きではないのですが、こちらはあっさりとそしてほっこりする雰囲気で読みやすかったです。シビアな面や患者さんの難儀な面も描いているけど和らいだ気持ちで読める内容。花も棘も柔らかく包む真綿のような主人公の気質や可愛らしい絵柄が暗い印象を与えないんだろうなと。
野村知紗
オリジナルビックコミックススペシャル１～ / 小学館
ジャンル：青年・業界 / 好み度：★★★★★