サラカエル 六道神士

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口枷をした少女は忍の老人と巨女と共に自らの持つ言葉が現実になる能力を失わせるための旅に出る。ダークファンタジードラマ。
中世ファンタジーPRGな世界観な舞台。口枷をした幼い少女と小柄でヨボヨボの老人の男性とグラマラスで天真爛漫な巨きな女性のトリオはある目的を持った旅をしているというはじまり。
旅の途中の地図にない村に立ち寄ったエピソードを経て口枷の少女の過去と旅のいきさつが語られ、少女の目的のための旅を進める中、彼らを狙う者たちとの戦いといった展開に。
少女の目的を果たすための旅に2人が護衛についているといったかんじ。当初は無口で理知的な少女と見た目を裏切る戦闘スペックを持ち生真面目一直線の老人、天真爛漫で天然でこどものような気質の女性の珍道中、かと思いきや、これがなかなかにシリアスというか手厳しい状況で。
口枷の少女は口から発した言葉が現実となってしまう能力を有する血族で、世界で力を持つ教会が知識を与えずに保護というか飼い殺し状態にしていたものの、ある出来事から少女が言葉を覚えてしまったことから周囲の脅威の対象となる。そしてその力を失わせる方法がありそのための旅、という設定。
荒々しい団体はいうに及ばず信仰の名の下けっこうやりたい放題な状況みたいな世界。力のある宗教団体も一枚岩ではなく、団体の外でもさまざまな思惑が絡み合いという複雑かつめんどくさい構造というあたりがリアルだなあ。主人公たちを旅にいかせた協会の人の、砕けた気質と大局を見る目のあるキャラがけっこう印象的だった。
殺伐とした状況や展開があっても主要人物たちのキャラがあっけらかんとした雰囲気ゆえにブラックコメディとしても読ませる内容。人のえげつない部分をきっちり描いてそれを理性の視点で見せる構成はかわらず見事。

六道神士
電撃コミックス全3巻 / アスキーメディアワークス
ジャンル:少年・ダークファンタジー / 好み度:★★★★☆