街の犯罪者をとらえる正義のヒーロー・キーマンが何者かに殺される。この事件を担当する刑事は、捜査の中でしたり顔の謎の少女と出会う。「KEYMAN」を巡る魔術と科学のシティアクションサスペンス。
アメリカンヒーロー、今だとタイバニみたいなエンターテイメント属性の高いヒーローが存在する街。そのヒーローは刑事たちが追う犯罪を捕まえ、街の住人たちにも信頼・人気を得ていたが、突如何者かに殺されてしまう。
その事件を捜査する刑事の前に謎の少女や、おそらくはヒーローを殺したであろう大量の「鍵」を懐に収めた巨体の男性が現れる、というはじまり。
擬音や漫符を含めた絵柄や作風がまんまアメコミ（ヒーロー漫画）風、また爬虫類・哺乳類のキメラのような風貌というか人種が混在し、魔術・魔法が存在する世界観というのが特徴。オカルトファンタジー系要素とシティアクションをうまいこと合わせている印象。
主役の１人である事件を追ういい意味で古臭い刑事はワニ人間、事件の鍵を握る少女は実年齢・100歳を超えているなど久々にこういうノリの話を見るとわくわくしてきます。
事件のからくりは複雑かもしれませんが、話のとっかかりは至極シンプルで明瞭、トントンと場面が動くので素直に話に引き込まれます。キャラのつくりかたがわかりやすいゆえに親しみがわくところも良いですね。
派手なアクションが続きますがそればかりでもなく、伏線や話の続きが気になる構成であり娯楽作品としては良質。外国のアクションものを楽しめる人にはたまらないかと思われ。
わらいなく
リュウコミックス全１３巻 / 徳間書店
ジャンル：青年・アクション / 好み度：★★★★★