胎児のときに死亡した双子の兄・舞入冬と体と記憶を共有する少女・舞入夏。霊能力を保持するゆえ怪異現象に遭遇する彼女たちの物語。ホラードラマ・低俗霊の新シリーズ。
前シリーズと同じく、霊能力・口寄せ能力を持つ主人公が霊がらみの事件に関わる展開ですが、物語のはじまりではそれを職業をしていません。
今回の主人公は女子高生。主人公の少女・舞入夏には、産まれる前に死んだ双子の兄の舞入冬の人格もあり、一定の時間ごとに人格が入れ替わる状態で、意識下で互いが体験したことを相手に伝えることで記憶の共有を行っています。そして過去、舞入冬の人格のときに事件を起こしたことがあり定期的に精神カウンセリングを受けている状態。
また舞入夏には霊視・口寄せ能力があり、舞入冬には霊が見えないですが攻撃が可能という能力を持っています。
彼女たちが通う学校の霊の事件と関わったことから、カウンセリングの医者が、彼女たちの霊能力を知り、口寄せをやらないかと持ちかけたり、学校の生徒が関わる怪奇現象に関わっていったりします。
主人公たちが学生だからか、極端なエロ設定はないものの事件がらみの設定や展開はあいかわらずシビアでシリアス。理不尽な事に対しての鬱さよりも激情を強く描いている印象を受けました。
単発の事件エピソードと展開しつつ、主人公たち自身の話とか、知り合った男子高校生をはじめとする人達とのからみがつづられていくのかな。
今回の作画担当の人の絵柄はくっきりとした線が特徴かな。読みやすく、また独特の世界観を壊していないあたり画力のある人なんだろうな。前シリーズの登場人物も再登場しているところも個人的に嬉しい。
原作・奥瀬サキ / 漫画:刻夜セイゴ
角川コミックスエース全6巻 / 角川書店
ジャンル:青年・オカルトドラマ / 好み度:★★★★★