ヒナまつり 大武政夫

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頭角を現しつつあるヤクザの若者は、部屋に落ちてきた奇妙な楕円の物体から現れた超能力を有する少女に翻弄される。
当初はやっかいな少女を拾ってしまったヤクザの青年という図式ながら、青年は少女の力で青年が助かることもあり、少女は能力のみで人格を尊重されていないような過去があるようで、青年との暮らしは気に入っている模様。そんな相互助のような関係になり、という流れ。
青年がヤクザなので荒い事件の登場に無理がなく少女の力を発揮する場もできるわけで。むろんアクション方面も面白いのですが、やはり見所は2人の交流かなあ。
漫才のようなボケとツッコミなノリの会話とコントのような状況演出、とはいえそういうコメディ部分は突き抜ける直前で止めて本筋の話に戻し、最後にオチをつけるタイミングが絶妙。ヤクザだけどお人よしな面が多分にある青年がやり込められることが多いからか、少女がこどもらしい図々しさと聡明さを兼ねているからか、2人の関係が一方的なものでなくやじろべえ的良いバランス具合で、ほっこりとした気持ちで2人の仲を眺められます。SF的設定が加味された擬似家族ものといっていいのかな。

大武政夫
ビームコミックス1~ / エンターブレイン
ジャンル:青年・コメディドラマ / 好み度:★★★★★